安倍氏の「インド太平洋」を消した岸田首相
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「自由で開かれたインド太平洋」という概念が、日本外交の辞書から消えた。
誰かが宣言して消したのではない。岸田文雄首相や林芳正前外相、
上川陽子外相らが言わなくなって、ロウソクの火が消えるごとく隠微に消えた。
代わって最近では、中身はまるで異なるけれども語感の近い言葉が流通している。
そのせいか、すり替わりに気づかない人は専門家にすら少なくないようだ。
「自由で開かれた」と、枕(まくら)詞(ことば)は同じ。
続けて「国際秩序」を言うのが岸田政権流である。
今年1月の国会における林氏の外交演説などに用例がある。
今や首相の国会演説(10月)に「自由で開かれたインド太平洋」への言及は皆無だ。
「自由で開かれたインド太平洋」FOIPは16年に安倍晋三首相(当時)が外交戦略として掲げた。
アジア太平洋からインド洋を経て中東・アフリカに至る地域で、
「法の支配」を重視し、ルールに基づくインフラ整備や貿易・投資、
海洋安全保障協力を進めることを提唱。
その後、米国なども賛同し、協力が広がっている。
当初は中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するねらいがあった。
日本の安全保障より、中国、ロシアに配慮するかのような首相。
中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する施策がなし崩しになるのでは。