心ばかり 穏やかな願い みやこ七福神ミニチュア
ミニチュアみやこ七福神2点をアップします。
七福神信仰は室町時代末期頃の京都に始まったといわれています。
江戸後期の画家谷文晁(1763~1840)が、七福神の絵は「狩野松栄以前の絵を見ず」と
『三養雑記』に書き残しているそうです(『江戸文学俗信辞典』)。
狩野松栄は文禄元年(1592)に没しているので、
安土桃山時代には七福神があったことになります。
また、出展は不明ですが、文明年間(1469~87)の京都に七福神を装った盗賊が
出没したという言い伝えがあります(『ニッポン神様図鑑』)。
この盗賊は、七福神とは縁起がいいと庶民の間に人気があったとも言われます。
そういうわけで真偽の程は定かではありませんが、
室町時代後期には七福神があったと考えてよいでしょう。
この室町末期、京の庶民の間には、福の神信仰が広がっていました。
室町末期といえば、応仁の乱(1467~77)などの戦乱の時代です。
武士のみならず、庶民も疲弊しており、福の神を求める土壌があったわけです。
同時に、商業が形を持ち始めた頃でもあり、庶民が蓄えをできるようになった時代でもありました。
庶民が個人の富を願うようになってきたのです。
そんな中で、庶民の間に福の神信仰がはやり始めました。
従来の神様や仏様は国や村の護国豊穣を願う対象でした。
室町時代後期になって、ようやく庶民の個人的な願いを託す信仰が始まったのです。
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