日本期待の水素エネルギー!三菱重工の「高砂水素パーク」他日本の企業が躍動する
三菱重工高砂水素パークとは
三菱重工は、高砂水素パークでの実証を通じて、水素を軸に
さまざまな産業を結びつけることで持続可能な社会を形成する
ための「水素エコシステム」の確立を目指しています1
三菱重工高砂水素パークとは、兵庫県高砂市にある三菱重工が整備した、
水素の製造から発電までを一貫して実証できる施設です。
2023年9月に本格稼働を開始しました。
パークは、水素の製造・貯蔵・利用の3つの機能を持つエリアに分かれています。
製造エリア
製造エリアには、世界最大級の水素製造能力1,100Nm3/hを持つ、ノルウェーの
ハイドロジェンプロ社製アルカリ水電解装置が設置されています。
この装置は、水と電気から水素を製造する装置です。
貯蔵エリア
貯蔵エリアには、総容量39,000Nm3の液化水素貯槽が設置されています。
この貯槽は、製造した水素を液化させて貯蔵します。
利用エリア
利用エリアには、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)
実証発電設備が設置されています。
この設備では、製造・貯蔵した水素を燃料として、発電を行います。
三菱重工高砂水素パークは、水素ガスタービンの早期商用化に向けた
実証試験を実施する施設です。
水素の製造から発電まで、一貫して実証できる施設は世界でも珍しく、
水素社会の実現に向けた重要な拠点となることが期待されています。
パークでは、2023年11月に、水素30%混焼発電の実証試験に成功しました。
これは、世界初となる実証試験であり、水素ガスタービンの
実用化に向けて大きな一歩となります。
今後、パークでは、水素製造・貯蔵・利用の技術開発をさらに進め、
水素社会の実現に貢献していく予定です。
急浮上する水素エネルギー、自動車から発電所まで用途が広がる
再生可能エネルギーに続いて注目を集めているのが水素エネルギーだ。
水素を燃料にして走る次世代のエコカーが2015年に市販される予定で、
早くも「水素ステーション」が大都市圏に登場した。
水素を使った発電所の建設計画もあり、大量の水素を供給する
ためのインフラの整備が始まる。
水素は太陽光のような自然エネルギーではないものの、CO2を排出しない
クリーンなエネルギーに転換することができる。
酸素と反応して、電力と熱と水を発生する。
エネルギーを生み出す効率が高く、用途は自動車から
発電設備の燃料まで幅広い。
水素エネルギーの利用拡大に向けた取り組みが2014年から活発になっている。
水素ステーションが大都市に広がる
特に期待が大きいのは自動車の分野である。
トヨタ自動車やホンダが2015年に、水素で走る燃料電池自動車の市販を開始した。
車体の前面に大量の空気を取り込むためのフロントグリルを
備えているのが特徴で、水を排出しながら走る。
化石燃料で作った電力で走る電気自動車よりも環境に優しく、
次世代のエコカーと呼ばれる。
当面は燃料の水素を補給するインフラづくりが課題になる。
ガソリンと同じように水素を販売するための
「水素ステーション」の整備が不可欠だ。
政府は燃料電池自動車の市販開始を見込んで、2013~2015年度の3年間に
大都市圏の100カ所に水素ステーションを設置する計画を進めている。
民間でも石油大手のJXグループなどがガソリンスタンドに併設する形で
水素ステーションの拡大に乗り出した。
燃料電池自動車に水素を満タンにするまでの時間はガソリンと同様の
3分程度で済み、実用性は電気自動車を上回るとも言われている。
車両の価格が下がり、水素ステーションの数が増えていけば、
電気自動車よりも早く普及する可能性がある。
自動車とともに水素エネルギーの拡大を見込めるのが発電設備だ。
すでに家庭用のガスコージェネレーションである「エネファーム」では、
水素を燃料にして電力と熱を作り出す仕組みが定着している。
エネファームの場合はユニットの内部でガスから水素を取り出す必要があり、
都市ガスなどの供給が前提になる。
東京湾岸で火力発電所が集まる川崎市では、新たに水素を燃料に使った
発電所の建設計画が始まろうとしている。
「川崎臨海部水素ネットワーク」と呼ぶプロジェクトで、大量の水素を
供給できる体制を整備しながら、世界で初めての「水素発電所」を
実用化する試みだ。
この構想では川崎市の臨海地域に「水素供給グリッド」を張りめぐらせる。
海外のガス田などで大量に発生する水素をタンカーで輸入して、発電所の
ほかに地域内の工場や遠隔地の水素ステーションにも供給できるようにする。