社会問題に積極的に取り組む姿勢が素晴らしい!トラウデン直美が「コメンテーター向いてない」と語る真意

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モデルとしてデビューし、今ではコメンテーターやキャスターとしても
活躍するトラウデン直美さん(24)。環境問題やSDGsについても積極的
に発信し、環境省サステナビリティ広報大使に就任するなど、文化的な
活動でも知られる。

世間からは社会問題への意識が高く知的なイメージを持たれている
トラウデンさんだが、そんな自身のイメージとのギャップには違和感を
抱くことも多いという。テレビでは見せない“本音”を聞いた。

「コメンテーターやキャスターの仕事をしていて、
『自分は何者としてここにいるんだろう』という気持ちがずっとあります」

トラウデンさんは慶應義塾大学在学中から、ファッション雑誌「CanCam」
(小学館)の専属モデルとして活躍するかたわら、環境問題やSDGsに
ついても積極的に発信を続けてきた。

そして、一昨年3月に同大学を卒業すると、2023年4月からは情報番組
「めざまし8」(フジテレビ系)の金曜MC、同年9月からは「news23」
(TBS系)の水曜コメンテーターを務めるなど、ニュースの現場にも
活躍の場を広げてきた。

だが、「現役大学生」という肩書がなくなったことで
悩むことも多くなったという。

「コメンテーターの仕事は、世の中で起こった出来事について自分の
意見を言うわけですが、そこには必ず当事者の方たちがいる。

それに対して、専門的な知識があるわけでも、
その渦中にいるわけでもない私が意見を言う。

これまでは、『一人の大学生』として発信すればいいという
気持ちだったんですけど、それがなくなると、どういう立場で
意見を言えばいいのかわからなくなってしまったんです」

「賢いことを言わなきゃ」という重圧

トラウデンさんが単発でニュースのコメンテーターなどを務め始めたのは
6年ほど前からだが、当初から悩みはあったという。

「最初のうちは『賢いことを言わなきゃ』『考えずにものを言っちゃいけない』
と気負っていました。

自分の中で“真面目モード”が強く出すぎてしまうというか、頭がいい人として
振る舞わなきゃいけないと思い込んでいたんです。

だから、事前にすごく勉強して、自分の能力以上のものを出そうと
必死にもがいていました。

でも、そうすると当然どこかで限界が来ますよね……」

そんなふうに無理をしていたトラウデンさんは、あるときから吹っ切れたという。

「それまで積もり積もったものが限界に達して、
ふと『もうなんとでもなれ!』と思ったんです。

今、私が思っていることを素直に言おう、等身大の自分でいようって
考えるようになって、少し気持ちが楽になりました」

名門大学を卒業した後は硬派なニュース番組のキャスターをこなし、
環境問題でも発信力がある。

視聴者はトラウデンさんに知的で聡明なイメージを抱いているかもしれないが、
世間が抱くイメージと“本当の自分”との間にはギャップを感じているという。

「私は皆さんがイメージしているような人間じゃないんです」と漏らす。

「一般的には、真面目とか優等生ってイメージが強いと思うんですけど、
実際はそんなことなくて……。本当は適当でめんどくさがりな人間なんです。

お酒を飲みすぎてしまう日もあります。自分の思うままに
生きていたいって気持ちが強くて、学生時代もわりと一人でいました。

ランチに誘われても、『ごめん、今日は本読みたいからいいや』って
気分が乗らないときは断ったり。

これまでは結構好き勝手に生きてきたので、
今は世間からの見られ方に戸惑っています」

うそくさい人間になってしまっている

自身初のフォトブック『のらりとらり。』(小学館)に、
「ウラ・トラウデン “いい子って言われるの大嫌い”」
という章をあえて入れたのは、イメージと現実との
ギャップに違和感を抱いていたからだという。

トラウデンさんは、その中で〈テレビでの姿と本当の自分との葛藤は、
まぁある〉とつづっている。

「芸能界はイメージでビジネスが成立している世界なので、
『本当の自分を見てよ!』っていうのはお門違いな話だとは思います。

けど、やっぱりテレビに映る『トラウデン直美』って
私じゃないなってすごく思ってしまうんですよね……。

いろんな人に合わせすぎてたなとか、いい子に見られようとしちゃったなとか、
ありたい自分と振る舞ってしまう自分が違いすぎて、ずっと葛藤があるんです」

最も悩ましいのは、コメンテーターやキャスターをやっていると、
必要以上に「頭で考えすぎてしまう」ことだと話す。

「コメントしたことが、自分が初めに言いたかったものと大きく
違っていることが結構あるんです。

感情じゃなくて理屈ばっかりになってしまっていることが多くて。

最近よく言われるんです。『トラちゃんの言ってることって、
わかるんだけど本音じゃなさそう』って……。

自分がうそくさい人間になってしまっているなって感じることもありますね」

髪をばっさりと切った理由

自分は本当にコメンテーターやキャスターという仕事をこれからも
やっていきたいのか――。

最近はそう自問自答することが増えたという。

「私自身、この仕事は楽しいと思っているんです。

知らない世界を知ることができるし、ニュースの裏側は
こんなだったのかという発見もある。

取材に行くこともすごく好きなんです。

でも、向いてないなって……。これまではがむしゃらにやってきましたけど、
最近は正直、向いてないっていう気持ちが強くなってきたように思います。

人前に出て、批判されたりするのは、今でもしんどくて……。

心ない言葉を浴びせてくる人の気持ちも考えてしまう性格でもあるので、
それがまたしんどいんですよね」

昨年、トラウデンさんは「心境が変化するかもしれない」と考え、
トレードマークだった長髪をバッサリと切り、内側の髪を黄色に染めた。

「長い髪が好きで、これまで短くしたことがなかったんです。
髪を染めたり、パーマをかけたりすることも一度もなくて。

そのことが私のアイデンティティーの一つでした。だけど、
それにこだわっていること自体に、私がいつも考えてしまう
『ああしなきゃ』とか『こうしなきゃ』っていうのが一緒に
詰まっているような気がしたんです」

だからこそ、人生で初めてばっさりと髪を切り、
今までにない色に染めてみた。

髪形を変えたときは、さまざまなことで
思い悩んでいた時期と重なるという。

「昨年の4月から5月ごろに、グーッと考え込んでしまって。

毎年この時期はそうなんです。私は常に変化を求めているところが
あるんですけど、前年からあまり大きく変わらなかったなって考えると、
気持ちが落ち込んでしまう。

逆に変わった部分があると、楽しいしワクワクできるんですけど、
今度は変化になじむのに心と体が一致してない感じがあって、
意外と疲弊していたり。とにかくいろいろなことに疲れていました」

葛藤の時間を大事にしたい

自分の気持ちに素直に生きたいと思うからこそ、その分、
悩みも多くなってしまう。

それでも、トラウデンさんは「葛藤することを大事にしたい」
と前向きに語る。

「年齢でくくるのはおかしいかもしれないですけど、24歳ですし、
いろいろと葛藤はあります。世の中にはいろんな人がいて、
皆それぞれ何かを抱えながら生きてるんだろうと思いますし、
それは大事なことなんだとも感じています。

自分が葛藤しているものによく耳を傾けて、そこから
見いだせるものもあると思うんです。

葛藤を無視してなかったことにしてしまうと、どんどん、どんどん、
自分の気持ちを押し殺して社会の歯車になってしまう。

そうじゃなくて、どんな自分になりたいか、どんな自分で
生きていきたいかを考え続けたいです。

結局、自分を一番大事にできるのって自分しかいない。

人に大事にしてもらおうとか、この人についていったら幸せに
なれるとかいうことじゃなくて、自分のことは自分で決めるのが
一番の幸せだと思います。

だから、私はこの葛藤の時間を大事にしたいなと思っているんです」

※【後編】<トラウデン直美「25歳からは嫌なことはやめる」
これからは「狂気的な役がやりたい!」と俳優に意欲>に続く

AERA dot.編集部・唐澤俊介)

トラウデン直美(とらうでん・なおみ)/1999年、京都府生まれ。

慶應義塾大学法学部卒。「2013ミス・ティーン・ジャパン」で
グランプリを受賞。13歳で「CanCam」の専属モデルとしてデビュー。

モデルとして活躍しながら、環境問題やSDGsについて積極的に発信している。

2021年、環境省サステナビリティ広報大使に就任。現在、「めざまし8」
(フジテレビ系)で金曜MC、「news23」(TBS系)で
水曜レギュラーコメンテーターを務める。

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